起業を夢見る理由は人それぞれ、十人十色です。
「もっと自由に仕事をしたい」、「自分のアイデアを形にしたい」、「お金を稼ぎたい」、「社会に貢献したい」、「とにかく経営がしたい」などなど。
しかし、夢見た起業の半分以上は実現されてはいないでしょう。それは、起業に対するメリットよりもリスクのイメージの方が強く、起業まで踏み切れない人がほとんどだからです。
起業はしたいのに心配事が頭の中をぐるぐるぐるぐる。「家族を養っていけるのか?」、「お金が尽きたらどうすれば?」、「失敗したら再就職先はあるのか?」などと考え、「もう少し考えよう」とそのまま動かず何年も経ってしまい、「今の安定した生活を捨てるほどのことなのか?」、「もう歳だしやめておこう」となってしまうのです。なぜそうなってしまうのでしょうか?
それは、頭の中だけでモヤモヤ考えているだけで、文字にして情報を整理しないからです。文字にすることでメリット・デメリットを正しく比べる事ができ、問題を把握したり、その対策を打つこともできるようになります。さらに、それらの情報をもとにして、起業するべきかしないべきかを判断することで、長い間モヤモヤと悩み続けるストレスからも解放されます。
では具体的に、どんなことをノートに書いていけばよいのか。
それは、今回紹介する本【企業は1冊のノートから始めなさい(上野光夫 著)】より説明していきたいと思います。
起業を実現するためには、まずはノートに情報を書き出すことが重要です。そしてその情報を整理しながら、着実に、一歩一歩前に進んでいくことで夢が現実のものとなるのです。
起業は難しい問題なので、頭の中だけで考えようと思っても必ず限界が来ます。限界が来ると、同じ考えばかりが堂々巡りをしてしまい、前に進めなくなってしまいます。
そうならないためにも、情報は書き出してみることがオススメです!
本の概要
この本は、起業本の中でも”ノートをつける”ことに重点をおいたものとなってます。
頭の中だけで起業を想像していても、情報をしっかり整理することはできません。
そこでノートを活用した起業への準備の仕方を勧めている本になります。
章ごとの目次は以下の通りです。
- 第1章:起業で成功する人はみんなノートをつけている
- 第2章:なぜ起業したいのかノートに書いてみる
- 第3章:先に独立する日を決めてしまおう
- 第4章:アイデアを300個以上書き出そう
- 第5章:起業の不安を書き出せば、心の準備ができる
- 第6章:足りないスキルとノウハウをまとめておこう
- 第7章:ノートを使って人間関係力を高めよう
- 第8章:事業計画を練り上げ、起業のスタートラインへ!
今回はこの中から、私が特に大事だと思う事を抜粋して紹介していきます!
私が抜粋したところ以外にも、大事なことがたくさん書いてあります。
ぜひ、実際にお手に取って熟読されることをオススメします!
書くことをリストにしておこう
この起業ノートに書くべきことはある程度決まっています。何に関して書いていくのかを大まかに分けると以下の通りになります。
- 動機と理念
- スケジュールの策定
- ビジネスモデルの検討
- 起業家としてのマインドの育成・強化
- 足りないスキルとノウハウの補強
- ビジネスに必要な人脈の形成
- 事業計画の練り上げと経営資源
この上記の7点を軸にしてノートをつけていきます。これらは書き漏れがないようにするために、この7点をノートの裏表紙などに目次のようにあらかじめ書いておきましょう。
1.動機と理念
10年後の、どんな自分の姿にワクワクしますか?
いつかは起業したいと考えていても、結局動き出すことができずにズルズルと先延ばしにしてしまうのは、起業に対する情熱が足りない為です。その場合は、起業に向いていなかったとも言えます。
そこで、自分が起業に向いているかどうかを確かめてみましょう。
まずはなんでもいいので自分の10年後の姿を想像してみてください。
このままサラリーマンとして出世して、たくさんの部下を引っ張っていく姿や、あるいは起業して、個人経営で忙しくも自由な毎日を送っている姿や、法人化し社長になって会社の舵を取っていく姿などもあります。
この時大事なのは、”できる、できない”は度外視して想像することです。能力や条件が揃ってなくても、「弁護士として開業」や「フリーのプログラマー」、「ジェット機のパイロット」、「今の会社でニューヨークに転勤」など自由に想像してください。そして、どのパターンでも必ずうまくいっている姿にしてください。
さあ、その中でどれが一番ワクワクしたでしょうか?
一番ワクワクしたものが「海外に転勤」や「パイロット」などの”会社員”ではなく、「開業」や「フリー」などの”個人事業”に関することであれば、あなたは起業に向いています!迷わず起業を志しましょう!
起業に対する思いを書こう
まず始めに書くことは、起業に対するあなたの思いです。
起業の準備をしていると色々な困難にあったり、うまくいかなかったりして挫折しそうになるものです。そんな時に今の起業に対する思いを書いておき、それを見返すことで、初心のモチベーションを思い出すことができるのです。
書くことは何でもよいです。今の自分のモチベーションとなっている気持ちをそのまま書き出してください。
例えば、私の場合はこのような感じです。
- もう人に指示されて働くのはこりごり
- こんなブラック企業なんか辞めてやる!
- 自由になるんだ!
- 他人の怠慢で起きた失敗をなぜ自分が謝らなければならないのだ
- 絶対金持ちになってやる!
- 夢を叶えるんだろ?いつまでグズグズしてるつもりだ
- 俺は努力できる人間だ。必ず成功できる!
- 人に感謝される仕事がしたい
- このままでは絶対に後悔する。動くなら今だ!
思いつくままに出来るだけ大きな字で書きましょう。それが起業の動機に繋がります。
そしてここでは、あなたの頭の中でモヤモヤと考えている今の気持ちを可視化する事が大事なので、ネガティブなことを書いても構いません。
ただし、その場合はすぐ次に前向きなコメントを残しておきましょう。例えば、「家族に理解されなかったらどうしよう」と書いたら、すぐ次には「大丈夫、絶対に分かってくれる」や「必ず説得してみせる」など前向きなコメントを書きましょう。
起業を実現するためには、この1ページ目が肝心です。誰に見せるわけでもないので、ありのままに思いをノートにぶつけてみてください。
ここには、下世話な事を書いても大丈夫です。むしろ人によっては下世話な事の方が動機が強くなることもあります。
「異性からモテたい」とか「ただ一人あいつよりは幸せな人生を生きたい」とか「人から”先生”と呼ばれてチヤホヤされたい」など、気にせずどんどん書いていきましょう!
え?私ですか?・・・そりゃ言えませんよ。闇が深すぎてw
起業のメリットとデメリットを書き出す
起業を想像する時、頭の中だけでメリットやデメリットを比較していると、何日か経つと忘れてしまう項目もでてきます。ここはしっかりとノートに書き出して比較検討しましょう。
ここでは、一般的なメリット・デメリット以外にも、あなたにしか当てはまらないメリット・デメリットもたくさん書き出してみてください。
どうでしょうか?
実際に書き出してみると、デメリットは”お金の問題”とそれに伴う”生活への不安”などが多い傾向にあることに気付くと思います。
確かに、事業が軌道に乗るまでは、”お金の問題”も”生活への不安”もあることでしょう。しかし、それらは起業してもしなくても一生ついてまわるものです。
ケガや病気を患いたくさんのお金が必要になるかもしれません。子供が医者を目指し、私立の大学に行きたいと言い出すかもしれません。コロナのようなパンデミックや大地震などの自然災害で、会社の経営が傾くかもしれません。会社が賃金の安い外国人労働者を受け入れたことでリストラをされるかもしれません。10年20年後には今の業種・業態が衰退していたり、あるいはAIなどに置き換わっているかもしれません。そもそも定年まで会社が倒産しないという保証はどこにもありません。
そう考えると、お金や生活の不安は”起業をすることによってのみ発生するデメリット”ではないことに気付くはずです。
このように、デメリットの大半は、事業を軌道に乗せさえすれば解決するものがほとんどです。
もしそれとは別に、「このデメリットはどうしても自分には乗り越えられそうにない」と思うものがあれば、その考えが変わるまではいったん起業はやめておきましょう。
起業することによるメリット・デメリットの一例
メリット
- 仕事を選べる
- 人に指図されない
- 自己実現が図れる
- 勤務時間を自分で決められる
- 休みを自分で決められる
- 満員電車に乗らなくていい
- 社会貢献ができる
- 付き合う人を選べる
- 経費を自由に使える
- 解雇されない
- やり方次第で収入を調整できる
デメリット
- 収入が安定しない
- ボーナスがない
- 病気をしても代わりがいない
- 休むと収入が減る
- 考えることが多くなる
- 忙しくなる
- 不安が多くなる
- 孤独になる
- 面倒なことも全て自分がやる
- ローン審査が通りにくい
- けつを叩いてくれる人がいない
2.スケジュールの策定
自分の尻に火をつける
「いつか起業したい」と考えている人は多くいますが、実際に起業に踏み切れる人は多くはありません。それは、起業する期間を「いつ」と決めていないからズルズルと現状に甘んじてしまうのです。
そこでまずは、起業への意欲を湧きあがらせるために自分の尻に火をつけましょう。具体的には次の3つの考え方で起業への意欲を湧かせます。
1)これから先の収入の面から考える
ここ20年、企業に勤めるサラリーマンの平均月収は、ほとんど横ばいの状態を維持しながらゆるやかに下がっています。もし今後上昇するようなことがあっても、高度経済成長時のように所得が倍増することはないでしょう。その反面で、日本の物価はゆるやかに上昇しています。つまり、少し給料があがったくらいでは相対的な給料の価値は変わっていかないだろうと予想できます。
2)自分の人生から考える
人生はたったの1回しかありません。しかも、その1回には寿命という制限が設けられており、その時が来れば否応なしに幕が引かれます。
やりたかったことをやらないまま高齢になった時のことを想像し、後悔しない人生だったかどうか考えてみてください。
また、起業をすればリスクはありますが、その分サラリーマンのような組織の歯車としての仕事よりも、もっと大きな達成感や充実感、自己成長を感じる仕事ができます。そして、その時の感情やその成果も自分だけのものです。逆に言えば、自分の失敗の尻拭いも自分ですることになるので、誰かに負い目を感じる必要もありません。
3)年齢から考える
「なにかをするのに遅すぎることはない」という言葉もありますが、やはりその「なにか」次第では、早い方がいい場合もあります。企業もそのうちの一つです。
歳を重ねると、冷静な分析やカンの冴え、幅広い人脈や安定した精神力など、手にできる武器も多いですが、ただ単純にパワーだけは若ければ若いほどみなぎっています。
新しい事を始めるには本当に大きなパワーとそのパワーを維持するスタミナが必要です。そういった意味でも、可能な限り早いうちから取り掛かった方がよいでしょう。
以上の3点について、自分なりの考えを思うままにノートに書いてみてください。そして、ある日突然「すぐにでも起業しなくては」という思いが湧きあがってくれば火をつけることに成功です。
独立する日を決めてしまおう
自分の尻に火をつけたら、より実現に近づくために、独立の日を具体的に決めてしまいましょう。やらなくても誰にも怒られず、生き死ににも関係の無いことは、期限を決めない限りは絶対やらなくなります。
ノートに大きく「20XX年X月X日に独立する!」と書きましょう。でも具体的にいつがいいのか。
具体的な独立の日は、「家族の事情」、「起業準備に要する期間」、「今の仕事のタイミング」を考慮して決定してください。
子供の学校の問題や、起業準備、勤め先での引継ぎなどを考えたうえで、最小公約数的な時期を強引にでも定める必要があります。
ただし注意すべきは、長くても1~3年以内にすることです。そうしないと、準備したビジネスモデルや内容が陳腐化して時代に合わなくなってしまうかもしれないからです。
そして、独立する日を決めたら他の人にも宣言してください。もちろん、誰でもいいわけではありません。
この段階では、家族、信頼できる友人、取引見込み先、見込み客、ビジネスパートナーになってほしい人、同じく起業を志していて競合相手にならない人など、ある程度制限しつつ宣言しましょう。
また、起業セミナーに行く場合などは「独立準備中」と書いた独自の名刺があると、その後もつながりが保ちやすいかと思います。
景気が厳しい時こそチャンス
「今は景気が悪いから、もう少し良くなってから起業しよう」と考える人もいるかと思います。しかし実は、景気が悪い時こそチャンスなのです。
というのも、景気が良い時に起業すると、そこまで努力しなくても売り上げが立ってしまうので、お金に敏感ではなくなり、余計な設備投資などをするようになります。その結果、景気が悪くなったとたんに赤字や借金苦などの、起業の本当の苦しみを味わう事になり失敗する人が多いからです。その点、景気が悪い時に起業する人は最初こそ厳しいものの、簡単には成功しないという事を認識しているので、節約や創意工夫などを駆使して生き残るスキルを最初のうちに獲得できるのです。
私の場合は退社を2023年12月末。独立までは少し間がありますが、2027年12月末と決めております。実際には多少の前後はあるとは思いますが、期日を決めた事で、逆算して今何をすべきかが明確になりました!
3.ビジネスモデルの検討
ビジネスモデルに関しては、すでにやりたいことがある人はいいですが、「起業はしたいけど、まだ何をするのか決まっていない」という人にはかなり難しい問題です。
ここでは、本書に載っているビジネスモデルの探し方のコツを少し紹介します。
ビジネスアイディアを300個書き出す
まず、どんなアイディアでもいいので300個書き出してみてください。なんでもいいです。
「ヴィーガン居酒屋」とか「運転席に高級マッサージ機がついた車を開発」とか、「夜しか営業しない焼きたてパン屋」とか「自分で調合できる香水キット」とか、自分ができるかどうか、うまくいくかどうか、現実的かどうかなどは関係なく書き出しましょう。
まずは幅広くビジネスの可能性を探ることに意義があります。起業後も、困難に立ち向かうたびにアイディアが必要になります。これはそういったときの、自分の発想力を鍛えるためでもあるのです。
とはいえ、すぐに今300個は思い浮かばないと思うので、常にメモやノート、スマホやICレコーダーを持ち歩き、思いつくたび記録するようにしましょう。
人の悩みから考える
自分にやりたいことがない場合は、人の悩んでいることから考えるのも良い方法です。
成功している人は往々にして、「人が抱えている問題」からヒントを得て成功しています。
例えば以下のことに耳を傾けましょう。
- 不満に思っていること
- 不便なこと
- 不安を感じること
- 難しくて理解できないこと
- 地域や社会の問題
- 非効率なこと
- 面倒なこと
このような問題はすでにある程度の需要が見込まれているので、もしお金に換えることができれば安定した収入源になるかもしれません。
ビジネスモデルを考える事は本当に難しいですよね。
実際私も、まだ具体的なところまで詰めれてません。これは起業準備をしながら納得いくまで考えましょう!
4.起業家としてのマインドの育成・強化
起業をする上でとても重要なものが精神力の強さです。どんなことがあってもめげないメンタルを起業前に育てておきましょう。
自分の不安が何なのかを知る
起業したくても中々踏み切れないのは、様々な不安を抱えているためです。
まずは自分が起業に対して抱えている不安を全てノートに書き出してください。その際、できるだけ具体的かつ詳細に書くことが重要です。そうすることで根本的な不安の種を見つけることができるようになります。
全てノートに書き出せたら、その隣に不安の解消法をひとつひとつ書き出していきましょう。
例えば、「事業がすぐに軌道に乗らなかったらどうしよう」であれば、「1年分の生活費を貯めた上で起業する」とか、「うまい儲け話に引っかかってしまうかも」であれば、「絶対に一度持ち帰り、その場では返事をしないことにする」とか、「自分のビジネスアイディアが本当に需要があるのか不安」であれば「あらかじめ自分の知り合い全員に意見を聞いて需要がどの程度か把握しておく」など、不安に対して出来る事は山ほどあるのです。
他にも、「数字に弱いから経理ができない」→「経理を1人雇うことを前提としたビジネスプランを考える」。「病気になったら収入が止まる」→「1日〇時間の睡眠と週1日の休みは必ず取ると決めておく」。「お客が来なくて破綻するのではないか」→「薄利でも、確実に需要がある業態で起業する」などと考えられます。
どうしても自分で解消法が見つからない不安がある場合は、実際に起業した知り合いや頼れる誰かに相談したり、先人達の本を読み漁るなどしていけば、解消法が見つかるでしょう。
もしそれでも解消法が見つからず、それがネックで起業できないということであれば、今はまだ起業する時期ではないということです。
いずれにせよ本書では、不安は起業してからもずっと続くことであり、不安は必要なものだと言っています。むしろ過信の方が慎重さが足りず危険です。
メンタルタフネスを鍛えよう
起業すると、失敗したりして苦しい状況に陥ることが何度となく訪れます。
そういう時は、落ち込んだり慌てたりイライラしてしまいそうになります。しかしそういう時こそ、落ち着いて冷静になれるメンタルが必要です。
ここでもノートを使います。
悪かった点と良かった点の内容をノートに書き出しましょう。そうすることで、自分を客観視でき冷静に状況をみることができるようになります。
客観視ができることで、厳しい状況でも「これもいい経験だ」とどっしり構えられます。
また、何が悪くて何が良かったのかが分かれば、同じ過ちは犯さなくなりますし、情報が整理されたことで解決策も見つけやすくなるでしょう。
メンタルを鍛えるには、起業本や伝記の中でも特に失敗談が書かれているものを読むのがオススメです!
その著者がどんな失敗をして、どうやって逆境に打ち勝っていったのかを学ぶと、自分が失敗してしまった時も「必ず成功への道はあるんだ」と思えるようになります。
5.足りないスキルとノウハウの補強
必要なスキルとノウハウをノートに書き出そう
足りないスキルやノウハウは起業準備中に習得しましょう。起業してからでは遅すぎます。なので、スキル習得期間も考慮して起業日を決めておくとよいです。
まずは起業に必要なスキルやノウハウをノートに書き出していきます。一般的には次のようなものがあります。
- ビジネスモデル構築に関するノウハウ
- お金の管理
- マーケティングや営業のスキル
- 法律の知識
- ITスキル
- 人を雇う事に関するノウハウ
- 接客サービスの能力
書き出したら優先順位をつけて本やカルチャースクールなどで学んでいきましょう。
さらに、一度ノートに書き出しておいたことで、その情報が自然と入ってくるようになります。
例えば、自宅までの帰り道にITスキルを学べる教室があることに初めて気づいたり、本屋で本を探していると会計に関する本が目に入ったり、人との雑談で営業技術に通じるテクニックを発見できたり、飲食店で将来見習いたいくらいの接客に出くわしたりと、色々な場所が勉強対象になりえることでしょう。
スキルアップのためには転職も選択肢
必要なスキルが専門的すぎて、本やスクールでは満足する効果が得られなさそうな場合は、転職も選択肢のひとつです。
著者の知り合いでは、営業のスキルに不安を抱えていたため新聞販売員の仕事を経験し、その結果、起業後も順調に営業をこなせるようになったそうです。
ただし転職する場合は、あまり大きな企業だと歯車的な仕事になりがちなので、中小やベンチャー企業に入った方が、学びたいスキルの全般に関わる仕事をさせてくれるでしょう。
私の場合は農業をするつもりなので、いちど農業法人へ就職するという選択肢も考えています。
なるべくなら独立するまではお金を貯めておきたいので、希望のスキルが身につく仕事ならお金も貯めれて一石二鳥ですね!
6.ビジネスに必要な人脈の形成
人脈マップを作ろう
「人脈は厳選すべき」という人もいますが、そのためにはまず人と知り合わなければなりません。なので、まずは浅く広くを意識して人脈を構築していきましょう。
積極的に起業セミナーなどに参加するようなら、当然その数はかなりのものになるでしょうし、名刺交換をした人がどんな人柄だったかを忘れてしまう事もあるでしょう。そのためのツールとして「人脈マップ」というものを本書では勧めています。
「人脈マップ」とは「ビジネスで関係する可能性」と「信頼できるか」という2つの軸を取ったマトリックスです。以下のようなイメージです。
軸に何をとるかはあなた独自のもので構いません。
ただ、途中でタイプが変わる人もいるため、エクセルなどのデジタルデータで整理したほうが便利です。
エクセルでなくてもいいですが、これは人の目には触れてはならないため、ノートに書くのは危ういです。パソコンなどの鍵のかかった端末などに保管しておきましょう。
どの起業本にも人脈の事は言及されています。
人付き合いが苦手な人は、まずそれを克服しましょう。本書でも”人嫌いの人は起業で成功しない”と言っています。
7.事業計画の練り上げと経営資源
事業計画の作成と経営資源の確保も起業準備段階でやっていただきたいことの一つです。
経営計画とは、事業を継続していくにはどれくらいの利益が必要で、経費がいくらかかるから、売り上げは最低でもこれくらい必要だ、というお金に関して予測して計算していく事です。
まだやってもいない事を予測するのは大変難しいことですが、実現可能性がどれほどあるのかを予測できるかどうかが起業成功のカギになります。
経営資源とは、「人、モノ、金、情報」です。これらを起業準備中に可能な限り整えてください。全部そろえることができたら、成功の可能性もグンと上がるでしょう。
起業に必要な資金を算出しよう
やりたいことが決まったら、それを立ち上げるためにいくら必要なのか算出しておきましょう。
例えば、次のようなものがいくらかかるか知っておきましょう。
設備資金 | 運転資金 (当初3か月~半年分) |
・店舗や事務所にかかるもの (敷金・保証金・改装費用など) ・営業用車 ・機械購入費 ・什器、備品購入費 ・ホームページ制作費 | ・原材料費 ・人件費 ・店舗などの家賃 ・外注加工費 ・広告宣伝費 ・交際費 ・水道光熱費 ・交通費 ・通信費 |
事業計画は、最初は遊び半分でも300個のアイディアからいくつか抜き出し計算してみるのも練習にもなり面白いかと思います。
また、いくつもやりたいことがあり決めかねているなら、それぞれについて必要資金を算出することで判断材料にもなるかと思います。
所感
実際に私もこの本の通りに、起業準備のためにノートを活用して、そろそろ3冊目に突入します。実際やってみた感想は、とてもいいです!
メンタルを強くするために、本などから抜き出した言葉をメモしたり、外出中にちょっと浮かんだアイディアなどをメモしておくと、忘れても見返せるので重宝しています。
また、私は起業したい動機が多すぎるので、頭の中だけではとっさには全ての動機やメリットを話せません。そんな時、しっかりとノートに動機をメモしておけば説得力がまるで違います!
次に何のスキルを勉強するべきなのかも全てノートに書いてあるので迷いませんし、たまに見返すと意外と重要なことを忘れていたことにも気付けたりするので、本当にこの方法はオススメです!
この記事で紹介した内容はほんの一部でしかないので、実際にこの本を丸々一冊読んでみる事を強くお勧めします。
あなたもノートを活用して起業に向けてスタートを切ってください!ではまた!
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