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就農への歩み

専門学生か職業訓練生か

どーも!ゼロから就農目指してる【マサ】です!
皆さん、農業関連の情報収集は進んでますか?…そうですか進んでますか!私も頑張っていますよ!
で、最近そんな感じに情報収集をしている内にもっと学びたくなって、いっその事、農業大学校の専門学生なんていいんじゃないのか?と思うようになってきたわけです。
そこで今回は”農業大学校の専門学生””ハローワークの職業訓練生”のどちらの道で就農に近づいていく事にしたのかを話したいと思います。

農地を斡旋してくれる?

元々の予定としては過去記事【就農までの計画。】にもある通り2023年の12月末に仕事をやめ、翌年2024年から農業系の職業訓練生になり研鑽を積んでいこうと思っていました。
職業訓練生になるには、訓練後に農業法人で働くことが前提となるため、当然訓練中は農地探しは禁止されます。しかし、就農に関する情報収集をすればするほど、この農地の取得がいかに大切かを思い知らされるのです。
まず農地の有無で自分が農家かどうかが決まりますし、農地の広さや場所、土の状態など、いい農地かどうかでその後の自分の人生が左右されると言っても過言ではないでしょう。そして、その”いい農地”を見つけるのが新規就農者にとっては至難の業!「農地を制する者は農業を制す」とかなんとか誰かが言いそうなぐらい大切です!
そんな大切な農地探しを職業訓練生だと、早くから始めることが出来ません。
一方、専門学生であれば卒業後の就農に向けて、学生のうちから探すことが出来ます。卒業までに2年間あるので、あるていど余裕を持ちながら多少の選り好みをしながら探すことも可能です。また、大学校の先生たちは国の公務員なわけで数年おきに就農相談センターなどの国の農業関連の機関を転々としています。つまり、卒業後にもお世話になる可能性があり、在学中に良好な関係を築けていれば、いつかきっと心強い味方になってくれることでしょう。
そして極めつけは、どんな学校でも卒業後の進路相談が必ずあります。そこでもしかすると、農地を斡旋してくれそうではありませんか?。
以上の事から、当初の計画を変更し農業大学校の学生としての道を考え始めたのです。

メリット・デメリット

まあほぼほぼ農地だけを理由に専門学生の道を考えたわけですが、他にもどんなメリット・デメリットがあるのかもこの段階で一応考えてはいました。

補助金(準備型)とは、就農に向けて活動している人に年間150万円の補助金が国から援助される制度です。これが貰えたらかなり大きいですが、山梨では年間1人程度しか審査に通らないそうなので、倍率が高すぎるので期待は出来ません。
また、専門学校ではマーケティングなどが学べる事がシラバスにも記載されていますが、職業訓練では何を学べるのかの情報はありません。
ちなみに山梨農林大学校のシラバスはこちらです。

様々な農業知識を学べます。が、デメリットにも書いた通り必要ない授業(体育など)を受けなければなりません。
また、後述しますが、私が貯める予定の300万円ではとても学費+2年分の生活費は賄えないので、毎日のようにバイトをしたければなりません。
ここまでを加味すると一見”勉強”か”お金”かの二択に見えますが、勉強は職業訓練の道を選んだとしても、学校を選んだ際にバイトをするつもりだった時間帯に自主学習すればいいだけなので、結論やはり”農地”か”お金”の2択と言えます。

お金の事

ではお金はどれくらい必要でしょうか。
学校に通うとなれば当然学費がかかり、学生だろうが生活費もかかります。計画の一部として退社までに300万円を貯めるつもりではありますが、果たしてそれで2年間の学費および生活費は足りるのでしょうか。試算してみました。

上の図を見ていただくとお分かりになると思いますが、意外となんとかなりそうです。ただ、忙しいですね。
月に18日間のバイトってことは、学校終わりにほぼ毎日行かなくてはならず、課題をやる時間が取れるか不安です。もしくは土日の8日間で一日1万円をしっかり稼いで平日は勉強に集中するというライフスタイルもありますね。
私は月に18万円ほど必要ですが(退職後はすぐに”退職特例免除申請”をして年金を払わない計算)、生活費をこれより安く済ませられる方はもっとお金や時間に余裕をもった暮らしができそうです。
やはり、農業大学校の学費が安いからこそ目指せる選択肢だと思います。

実際に聞いてみた

ここからは前回の記事でも少し触れましたが、就農トレーニング塾の終わりに就農相談があったのでその時に実はこの件も聞いてきました。
私が気になっていたのは次の2つです。

  1. 職業訓練コースだと一般学生よりも農業について学べないのか
  2. 学校側で卒業後の農地の斡旋はしてくれるのか

順に説明しましょう。

1.職業訓練コースだと一般学生よりも農業について学べないのか

まず私が危惧していたことに、「職業訓練生と一般学生とで座学に関する授業の質や量が違い、農業についての知識に差が出来てしまうのでは」ということです。
職業訓練生はほとんどが実習のなので、おそらく一般学生と技術的なところでは大差ないでしょう。しかし、座学はどうでしょうか。職業訓練生に数学や英語の授業は必要ありませんが、同じ座学である土壌肥料の授業や植物生理、病害虫などの授業も省かれてしまうと知識に差が出てしまいます。
どちらにしても、学校に通うか通わないかの重要な判断材料になるので担当者に聞いてみました。

「職業訓練コースは、一般学生が受けている農業に関する授業の中で、含まれていない授業はありますか?」

「いえ、農業に関する授業は職業訓練生と一般学生は同じレベルの内容を学びます

「え?そうなんですか?(であれば、不必要な授業がない職業訓練生の方が得な気が・・・)では、お金を払ってまで一般学生になるメリットってなんですか?」

「職業訓練生は10ヵ月間しかないので必然的に詰め込み教育になりますよね。学生であれば2年間あるので職業訓練生に比べれば余裕を持って学べます。また、学生だとやはり就職に強いことです。専門学校卒だとその専門の会社に採用されやすくなりますね」

確かに…。言われてみればそりゃそうだ。
もう一生雇われるつもりなんてなかったから完全に忘れてました。
とどのつまり…必要ない‼……このメリットは‼……卒業後に独立を考えているのであれば…‼……ククク……‼
ということで次。

2.学校側で卒業後の農地の斡旋はしてくれるのか

はい。これが肝です。肝心かなめの条件…。これ目当てで学校通いのプランを考え、他の何ものにも勝る絶対条件‼
良い農地が手に入るか否かで就農後のスタートダッシュ、ひいては未来へと繋がっていく道の長さや太さまで決まりかねない最重要案件‼
聞いてみました。

「学校では、卒業後の進路相談などがありますよね?」

「ええ、もちろんありますよ。生徒の希望に合わせ、進学や就職の相談を最大限サポートします」

「卒業後は独立就農するつもりなのですが、農地の斡旋とかはしてもらえるのでしょうか?農業学校を通して話をしてもらえれば優先的に良い農地を紹介してもらえそうなイメージなのですが…」

「いえ…農地の紹介・斡旋はしていません…。」

あ・・・?

「基本的には就職や進学をする方のための進路相談なので。…農地を探すのであれば、ご自分で…という形になってしまいますね」

ヘナッ…

はい。ということでですね、学校を通じて農地を斡旋してもらおうなんて考えは露と消えました。

まとめ

専門学生を選ぶべき人は

  • 農協や倍率高めな農業法人、その他業種へ就職したい人
  • ゆっくりと農業について学んでいきたい人
  • 英語や数学、社会学など農業以外の分野もやり直したい人

職業訓練生を選ぶべき人は

  • とにかく早く農業法人に就職したい人
  • お金を学費や生活費に使うより、初期投資に回したい人

といった感じでしょうか。
農地を斡旋してもらえないのは残念でしたが、職業訓練コースでも農業についてきちんと学べることが分かったので収穫はありました。
貯金をまるまる初期投資に充てれるってことでもあるので、可能性が狭まったわけでもないでしょう。
とにかく農地は自分で探す!これが今回の教訓です。ではまたっ!