農業で成功している人はどういう事をしているのでしょうか?
いえ、農業に限らず、様々な業種・職種で成功している人達には、おそらく共通した考え方や行動があるに違いありません。
もし、自分も同じような考え方・行動をとれたとしたら・・・。きっと将来成功する可能性が上がると思いませんか。
今回は、そんな”成功する人”と”うまくいかない人”の違いを農業に落とし込んで説明している本【農業で成功する人 うまくいかない人(澤浦彰治 著)】を紹介したいと思います。
あなたも、是非この記事を読んで、農業で成功する人の考え方を身に付けてみてください!
本の概要
この本は、第1章の”農業で成功する人・うまくいかない人”を始めとした、農業で成功する秘訣が8つの章に分かれて書かれています。
章ごとの目次は以下の通りです。
- 第1章:農業で成功する人、うまくいかない人はどこが違うのか
- 第2章:自分の領域を守りながら規模を大きくする
- 第3章:4人の独立した先駆者に学ぶ「成功の秘訣」
- 第4章:成功している人がつけている記録と計画書
- 第5章:多くの中小企業経営者から学ぶ
- 第6章:弱みに負ける人、リスクを武器にする人
- 第7章:個人と組織の融合が、新たな強みを生み出す
- 第8章:小さな家族経営が農業の未来を拓く
章のタイトルから分かる通り、独立就農を目指している人も、法人化して会社経営をするつもりの人も、どちらにも使える知識が載っています。
第3章は、独立した方の成功するまでのエピソードになっており、新規就農を志している方には特に参考になると思います。オススメです!
その中でも今回は、第1章の”農業で成功する人、うまくいかない人はどこが違うのか”からいくつか抜粋して紹介していきたいと思います。
農業で成功する人、うまくいかない人はどこが違うのか
農業で成り立っている人から学ぶ
”成功する農業者は、農業生産で経営が成り立っているプロの農家に学び、地域の人たちからの情報を大切にします。しかし、うまくいかない人は、農業生産で成り立っていない農家から学んで、生の情報には関心を持ちません。”
新規就農者として独立した人にありがちな行動として、教えてもらった農家と同じやり方を行う人がほとんどです。もちろん、教わった事を実践するのは正しいことなのですが、農業というのは地域や気候が違うだけで作物の育ち方もずいぶん違ったものになります。畑のクセなどもその一つです。
始めのうちに教わった事をやる分にはいいですが、実際には畑や作物の様子を見たり、同じ地域の農家さんに情報をもらったりと適宜やり方を変えていかなくてはなりません。もしずっと同じやり方だけでやっていると、そのやり方だけが身についてしまい、その後やり方を変えていくことはとても困難になります。
また、注意しなければならないのは研修先の農家が農業生産だけで成り立っているかどうかです。もし研修先が不動産収入やその他の副業でも収入を得ていた場合は、そこと同じやり方をしていても、農業生産だけでは収入が足りずにやっていけなくなります。
そのため、研修先の下調べもしっかり行っておきましょう。
著者の澤浦さんも「研修先選びで、その後の経営が成功するかどうかの50%が決まる」と言っています。
地域や畑の状況に応じて、柔軟にやり方を変えていく事が成功する秘訣ですね!
研修先選びもとても大切です。
自分の求めているライフスタイルに合うのかどうか、しっかり下調べをして見極めることが必要です。
ここ一番で頑張れる人は何が違うのか
”成功している農業者は、「今」やらなければならないことをタイミングを逃さずに行い、大きな収穫を得ます。しかし、うまくいってない人は時を意識せず、タイミングを外して収穫期を逃すのです。”
北海道のある農場では、210ヘクタールもある小麦の収穫を3日間24時間稼働で行います。当然一人では休息がとれないため、家族や社員で交代して収穫します。
そのように短時間で集中的に収穫する理由は、収穫のタイミングを逃すと、麦が発芽してしまい商品価値がなくなってしまうからです。
小麦に限らず農産物は一瞬のタイミングを逃すと品質や収穫量に大きな影響が出てきます。そのため、「今やるべきこと」をここ一番でやりきれる人でなければ成功することは難しいでしょう。
農業は繁忙期と閑散期の差が顕著に現れます。頑張るときは集中的に頑張り、儲けのタイミングを逃さないようにしましょう!
自分の将来のビジョンをハッキリと持っていれば、いつでも頑張れるはずです!
機械や道具をきれいに長く使う
”成功している人は、機械や道具を丁寧に長く使い続けています。減価償却が済んでも買い換えずに使い続けているのです。なかにはトラックを30年以上使う人もいます。しかし、うまくいかない人は機械を買い換えるのが早く、小道具をよくなくします。”
うまくいかない人は、機械を汚したままにしたり整備を怠ったりするため、よく機械の調子を悪くします。機械が動かないと作業を進められないため、スケジュールにも響き、作業効率も生産性も悪くなります。
また、整理整頓もできていないので、ものをよく失くし作業の前に探し回ります。そして長時間労働になってしまい余計疲れるのです。
成功している人は機械や道具を大切に使います。そしてそれは決算書にも表れてきます。
ものを丁寧に使うということは、減価償却後も使っていけるので、無料で長く使い続けられることになります。償却が終わった後は償却資産税もかかりません。
ものを大切に長く使用することで固定費を下げ、長期的に利益を出しやすい体質にしているのです。
私は屋内で使うモノはとても大切にするのですが、屋外で使うモノは結構雑に扱ってしまうんですよね。以後、気を付けたいと思いました。
労働時間は午前8時~午後5時に縛られない
”成功している農業者は既定の労働時間に縛られていません。作物中心、お客様中心で自分の時間を使うのです。しかし、うまくいかない人は、一般的な労働時間である午前8時~午後5時という時間に縛られて働いています。”
農業は労働基準法の適用外です。とはいえ、昨今、農業法人が増え雇用就農を選ぶ人たちも同様に増えていく中で、農業の現場でも労基法を順守していく流れは大切です。労働環境や福利厚生などの待遇の改善も必要でしょう。
しかし、成功している農業者は、良い作物を栽培するためなら何時だろうと労働時間を気にせず学び働きます。特に、農産物は生き物なので常に意識を向けておくことが重要です。
これは独立して自分で経営する人にも、農業法人の社員として働く人にも、とても大切なことです。
これは、個人経営での独立就農を目指している方なら言わずもがなですね。最初の数年は嫌でもこうなるでしょうw
ただ個人的には、農業法人で働く場合であれば、ここまで厳しくなくてもいいのかな~とは思います^^;
避けては通れない強い体づくり
”成功している農業者は丈夫な身体を持っています。また、歩くスピードが速いことも共通しています。残念ながら、体力が無ければ農業経営は至難の業です。”
経営者になるのであれば、生活の中心は常に仕事になります。農業の場合は農業中心の生活になるでしょう。朝、昼、夜も関係なく仕事に明け暮れることになり、忙しい時は睡眠もまともにとれない日もあるかもしれません。
これは独立する人にとっては当たり前のことなのですが、時には社員として雇われている場合も同じようなことが求められます。
それは、生き物を扱っているからです。入院患者がいる病院と同様で、昼夜も関係なく必要なタイミングで様子を見たりお世話をしなければならないのです。
その大切なタイミングの時に自分は健康なのか、仕事をやり切れる体力があるかどうか。生き物を相手にするというのは、それ相応に自分もタフでないと続きません。
ここで言う”体力”とはパワーではなくタフネスです。
経営者になるには、風邪もひかない、ケガもしない、めげない精神、そして強靭な身体が必要です。今からでも鍛えていきましょう!
できないことに直面したら、どう行動するか
“成功している農業者は「できないこと」に直面した時に、できる方法を考えます。決して「できない」とは考えません。しかし、うまくいってない人は、すぐにできない言い訳や理由を見つけて、「無理」と答えを出してしまうのです。”
お客様は、できないことや困っていること、自分では解決できないことを常に要求してきます。そしてそれに応えるのことが商売であり、それによって需要と供給の関係が成り立っています。そのため、難しい要求に対して「できない」と即答するべきではありません。断った時点で収入を始めとする、口コミや紹介などの評判やリピートなどの大きなチャンスを逃すことになり、自分も成長できません。また、自分にはそれに応える技術も新しい技術を生み出す見識も持ち合わせていないと白状したも同然なのです。
うまくいかない人は、技術や手法を変えることを拒みます。「今までこれでやってきたから」と新たなチャレンジや改善をしようとしません。
農業に限らず、どんな業種にも通ずる事ですね!
お客様で出来る事や困っていない事はわざわざ人に頼みません。お客様が求めているところにお金を生み出すチャンスがあるということですね!
畑や作物よりもお金が好きではうまくいかない
“成功している農業者は、お金を大切にしますが、収入は結果と考え、いかによい農産物を生産するかという技術的なところに能力や思考を使っています。しかし、うまくいってない人は、技術や栽培過程にはあまり興味を持つことは無く、まだ手にしていない結果の収入ばかりを気にすることが多いのです。”
うまくいっている人は、お客様がどんな要望を持っているかを考え、その要望にどのように応えるかを常に考えています。そのため、よい農産物を栽培することに必死に取り組んでいます。
当然そのような人は、お客様の要望に次々と応えるので必然的に売り上げも増え、作業性もよくなり、少ない労力で多くの所得を得ることができるわけです。
うまくいっていない人は、そもそも儲けることにしか興味がなく、技術の向上よりも面積を増やして収量を上げる事ばかり考えます。また、誰にどう売るかを考えず、一般的に流通できるていどの規格を目指して栽培するため、顧客からの強烈な支持は得られず価格競争に陥っていくのです。
個人的にはお金の為に農業を選択することも悪くはないと思います。要はお金の為だけになってしまうと、改善する点が規模やプロモーションなどの経営方針ばかりに偏ってしまい、技術的なことに目を向けなくなってしまう、ということなんでしょう。(多分)
成功者は楽観的な考え方をしている
“成功している農業者は、自分の意志で行動します。そのため、自分が支配できない外部要因に振り回されて悩むことはなく、その状況を受け入れます。また安易にうまい話には乗りません。しかし、うまくいってない人は、目の前にある改善策(利益の源泉)には目もくれず、うまい話にすぐに乗ってしまうのです。そして、自分がコントロールできない外部要因に意識を取られ、無駄な努力をしてしまいます。”
成功者は喜びや楽しさ、嬉しさなどのポジティブな感情を常に持っており、それを周囲と分かち合う事でいい影響を生み出します。結果、必然的に多くの人を惹きつけます。一方、うまくいかない人は憎しみや怒り、妬みや愚痴を何も考えずそのまま口や態度に出し、結果、真の仲間を失ってしまうのです。
別の本にも書かれていましたが、自分がコントロールできない事象で悩んだり苦しんだりするのは無駄だそうです。
変えられない状況は受け入れてしまい、その上で自分が取れる最善策を考える方が圧倒的に有意義です。
所感
いかがだったでしょうか。農業だけではなく他の仕事や人生にも丸ごと使えるような内容でしたね。
農業の場合は時間に縛られず、それでも壊さない丈夫な身体が必要です。その上で、経営もしていくとなると何事にも負けない強いメンタルが必要になってきます。
この両方を備えられて初めて農業の経営者としてやっていくことができるのだと学びました!
今回紹介したのは本の1部だけですが、少なくともここで紹介した内容を意識していけば、就農に近づいていくと思います。私も頑張って体鍛えます^^;w
他の章にも、農業で成功するための知恵がたくさん載っています。気になった方は、ぜひ一度読んでみてください。
ともに就農に向け頑張っていきましょう!ではまたっ!
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